南区の松本さん(仮名 飲食店経営)は、親の経営している衣料品店の借入の連帯保証人になっていました。
消費者ローンはないものの、政策公庫や銀行、信販会社を含め保証総額は、1000万円を越えています。
親の経営状態は大変厳しく、銀行に対する支払いの遅れが始まっており、一刻の猶予もありません。家族会議を招集し、「なんとかしなければ」と話し合いましたがいい知恵が浮かびません。知人の紹介で民商を知り、わらをもつかむ気持ちで相談しました。
相談を受けた民商では、「主債務者の親」と「保証人になっている2人の子供」では立場が違うこと。主債務者が破産をせず、うまく債務を整理すれば当然保証人は救済されること。そのために当面する緊急課題と長期にわたるであろう返済計画を実行して行くために家族が協力して行くことが必要であることを確認しました。
親子で話し合うなかで、
①親名義の土地の上に子供2人の名 義を含む2棟の家が建っており、 先祖伝来の土地・建物を失いたくない
②親が破産をすると結局連帯保証人 の子供2人に回るので破産は極力考えない
という大前提で進めようということになりました。
まず、手形のジャンプから始めました。次に公庫・信用保証協会・銀行と交渉をして元金「0(ゼロ)」利息のみの1年間の条件変更手続き。信販会社とは裁判所の「特定調停」で交渉しました。
解決に向け一番大きく動き出したのは、土地・建物を抵当にとって借り入れていた信用組合との交渉で、親から子供が土地を購入するための「住宅ローン」が組めることになり負債のかなりの部分が清算できる見通しがたった時です。
土地と建物の評価をがんばってしてもらい、22年のローンになったため、家賃のつもりぐらいの返済金で整理していける見込みがたちました。
「一時は破産しかないと思いつめていたが、目の前が明るくなった」「息子の商売もまずまず順調で家族みんなに笑顔がもどった」「これからは、民商やみんなのためにがんばります」と決意をする松本さんです。