有給取得や労働時間などポイントを学習

2019/11/5 9:43 投稿者:  admin558

働き方改革関連の法改正で、有給休暇や時間外労働などに関する法律が変わりました。
特に今年度からは、年10日以上有給休暇が付与される労働者に対して、5日は確実に有給休暇を取得させなければならなくなり、罰則もあります。また時間外労働の上限規制(中小業者は2020年度~)、月60時間を超えた残業の割増賃金率引き上げ(中小企業は2023年~)などもあり、知っておかないと罰金や付加金で経営が圧迫される恐れもあります。そこで、しっかり学習しておこうと、10月29日(火)、法人部会主催で学習会を行いました。講師には特定社会保険労務士の上田義博さんをお招きしました。

経営者として関心の高い「働き方改革関連法のポイントと外国人雇用について」をテーマに開催した今回の法人部会には33名が参加。
まず講師の上田さんから膨大な資料を基に解説をして頂きます、今回の法改正で知っておかなければならない主なポイントは、①年次有給休暇の義務化、②残業時間の上限規制、③非正規雇用の処遇改善(同一労働同一賃金)が挙げられます。

【有給休暇が義務罰金がかかる?】
年次有給休暇の義務化は4月からすでに施行されており、年次有給休暇の法定付与日数が年10日以上の労働者には、年5日の有給休暇の取得が企業に義務付けられました。正規労働者は6か月以上の勤務の人、パート・アルバイトの場合でも労働日数・勤務期間によっては有給が発生します。悪気がなくても罰則がかかる事態を避けるためにも知っておくことが大切です。
【残業時間の上限が規制】
労働時間とはそもそも「使用者の指揮命令の下に置かれている時間」です。今までも残業時間の上限はありました(36協定締結が必要)が、法律上は上限がありませんでした(行政指導のみ)。しかし今回の改正で、中小企業の場合は2020年4月から、年間で720時間、1ヶ月では100時間を超えて残業をさせてはいけません。また、複数月の平均で80時間も超えてはいけません。今までは行政指導のみでしたが、改正後にこれらを超えてしまうと、法律違反となり、罰則も適用されます。企業には労働時間の状況を客観的に把握する義務も課せられます。

【非正規の処遇改善同一労働は同一賃金】
皆さんのところでこんな例はありませんか? 例えば、正社員だけ通勤手当がある。正社員は年齢や勤続年数に応じて給料が上昇するが、パートには昇給がない。正社員には食事手当や賞与があるが非正規にはない。
今後、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保として具体的な合理性のある理由がない限り、こうした区別は許されなくなります。
正規雇用と非正規雇用で各種手当や基本給などに差がある場合は労働者に対して合理的な理由を説明する必要があります。単に「パートだから」「将来の役割期待が異なるため」という主観的・抽象的な理由では、合理的とは言えないので、待遇に差をつけてはいけなくなります。この法律は、中小業者の場合は2021年4月から適用されるようになります。正規雇用者と非正規・パート・アルバイトの方を雇用している方は、今からでも注意しておく必要があります。

【外国人雇用について】
最後に外国人雇用についてです。ここ数年外国人労働者が増えており、農業や漁業、建設業、コンビニなどでも見かけることが増えてきています。今回は、中小業者でも雇い入れられる技能実習と特定技能についてを説明。技能実習は1~3号があり、それぞれで滞在期間や受け入れ可能業種が変わってきます。原則的には技能実習の在留資格は「技能・技術と開発途上国への技術移転」としているため、労働力需給調整の手段であってはならないとされています。一方、特定技能は平成31年4月から新設され、人手不足の解消を目的としており、一労働者として受け入れるようになります。しかし、建設分野における上乗せ条件では、日本人と同等の金額の支給や月給制による安定支給(日給月給は不可)などハードルが高いのも事実です。
私たち中小業者には人手不足の深刻化に加え、これらの厳しい基準がどんどん義務化され、事業主の負担が大きくなることが予想されます。「もう会社としてやっていけない」などの感想も出されましたが、これからも企業存続のためには、今までは口頭だった雇用契約を書面にするなどの対策が必要とされます。
これを機に曖昧にしていた就業規則や雇用契約を改めましょう。資料が必要な方は事務局までお問い合わせください。


講師:上田義博氏 特定社会保険労務士
 

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